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【新・所得倍増論】日本がイケてない理由は"生産性"にあった!!

読書

アナリストとして20年以上金融界に携わり、
日本経済を残酷なほど冷静な視点で批判するデービッド・アトキンソン氏。

「『1人あたり』の視点で日本経済を見た場合、その規模は先進国最低レベルである」
という、データ的には当たり前すぎるものが、
さも衝撃!!風な見出しがつけられたのは

デービッド氏本人も
いかにも「全体規模」にこだわる日本人特有の気質を反映しているように見えてならないでしょう。

toyokeizai.net



最近発売された「新・所得倍増論」ですが
非常に客観的・公平な視点から日本経済を分析しており、
読んでる間は「マジで!?」と目からウロコが落ちっぱなしでした(笑)


アメリカの人口は20年でイタリア1個分増えている

特に衝撃的だったのがこれ。
僕が今まで読んできた経済本は、そのほとんどが
「アメリカは衰退し、替わりに中国やインドが脅威になる!!」
系の主張でした。

しかし、「新・所得倍増論」では「アメリカは沈まない」と、トレンドとは真逆の予測をしています。
その根拠は「人口」です。

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1990年から今年までの間に、
アメリカの人口は2億5千万人から3億2千万人に増加しました。7千万人分のプラスです。

これに対し、イタリアの人口は6千9百万人。


つまり、イタリア1個分の人口がまるまるアメリカに発生したわけです。
そりゃ経済だって成長しますわな・・・。

アメリカが一般的に「強い」と言われる理由は
Appleやマイクロソフトにあるわけではなく、人口の増加が最も大きな原因であることは間違いないでしょう。


日本は人口の割に生産性が低すぎる

知ってましたか?
日本は、先進国でもトップクラスに人口が多いことを。

実は、人口が1億人を超える先進国は日本とアメリカ以外に存在しないのです。
日本を超える人口を抱える国は「インドネシア」「ブラジル」など、開発途上の国がほとんど。G7では第2位です。

そして、日本のGDP(国内総生産)は世界第3位。

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1億以上の人を抱えている数少ない国家なので、
GDPが世界3位のポジションにいるのは「当然」というのがデービッド氏の主張です。

が!!問題なのはその「生産性」の低さにあります。

製造業の1人あたり生産が低すぎる

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「ものづくり大国 日本」の名の通り、日本の製造業総生産額は世界第2位。しかし、それを人口で割って「1人あたり」の生産額を計算すると、何ともみじめな結果に・・・。なんと、先進国の「平均以下」にまで落ち込みます。
結局1億という"数の武器"で世界第2位にまで上り詰めたということでしょう。
この現状で「ものづくり大国」を名乗ることはできない、と筆者も指摘しています。

サービス業の1人あたり生産が低すぎる

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あれだけ残業して働いても、1人あたりの生産額は世界14位。
日本人は世界で14番目ぐらいにしか働かないということでしょうか。違いますよね。

「働いても働いても、生産性が上がらない」原因と対策については、本書で詳しく解説されています。

1人あたりの研究費が安すぎる

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日本の研究開発費は約1708億ドルで、これは世界第3位の規模です。
しかし、これも"1人あたり"に計算し直すと世界第10位。
あまりよろしくない数字ですね。

さらに「研究開発費がどれだけGDPのモトをとっているか」
を計算するために、
『GDP÷研究開発費』
の結果から、GDPは研究開発費の何倍になるかを数値化しました。

すると、日本のGDPは研究開発費の『47倍』だそうです。
ちなみに平均的な数字は『23倍』。

ここにも生産性の低さがうかがい知れます。

知るべき現実を見せつけられる1冊

この本に限らず、デービッド・アトキンソンは
「良いところも悪いところも含めた、冷静な観察」
に定評があり、これからの日本経済に最も必要な視点を持っています。

「特に経済とか興味ないや~」
と思っている人にこそ読んでほしい本ですね。

きっと、今までなんとなく見ついていた常識が覆されますよ。